お茶は今や私たちの暮らしにとって切っても切れない存在です。
では、お茶はどこで生まれてどのようにして伝わってきたのでしょうか。
日本のお茶は、平安朝の初期、伝教大師(最澄)や空海など、唐へ留学した僧侶たちによって中国から茶を持ち帰ったのが始まりとされておりますが、その年代ははっきりしません。
書物によると奈良時代にはすでに日本に伝わっていたようですが、当初は大変な貴重品で、宮廷人や貴族階級など限られた人の口にしか入らないものでした。
その後、臨済宗の開祖栄西が中国から種子や茶の飲み方である喫茶法を持ち帰り、日本第一の茶といわれるぼ尾の茶を始めた明恵上人にも譲り受けられ、江戸時代に入ると一般庶民の口にも入るようになりました。
当店が所在する静岡県のお茶は、静岡市郊外に生まれた聖一国師が、中国から種子をもたらし、出生地に近い足久保にまいたのが始まりと伝えられます。
明治維新には、徳川藩士や川越人足等による大規模な牧之原開拓など、立地条件とあいまって、日本一の大茶産地となる基盤が作られ、現在では生産額・品質はもとより、流通面においてもわが国茶業の拠点となっております。