お茶は世界中に存在し、その国その国の人々に愛され、飲まれています。
日本と同様に世界の他の国々にも、中国から伝わり、モンゴル・チベット・ヨーロッパへと広がり、17世紀に入ると世界中に広まるようになります。
生産国も中国から、インド・セイロンに拡がり、現在ではアフリカや南米でも生産されています。1999年の統計によると、世界の茶の生産量は約290万トンで、そのうち緑茶が約65万トン、ウーロン茶は約15万トン、紅茶は210万トン程度と推測されています。
日本のお茶は、静岡県以外にも日本各地でとても広範囲にわたり栽培されています。
日本茶(緑茶)の主要産地
静岡県
日本のお茶の生産量の半分を占める日本一の産地。品質の良さと豊富さで全国に知られる。県中央部の牧之原台地を始めとして、富士山麓、安倍川、大井川、天竜川、大田川領域でそれぞれ特色のある生産がおこなわれている。深むし茶の主産地である。
A:天竜・森・春野茶産地
県西部、太田川上流域と天竜川上流地域を中心に、
いずれも上級茶産地として歴史があります。
B:中遠茶産地
小笠山周辺と牧之原に接する地帯の茶園を主体に、磐田原台地を含む地域で、
丘陵地の茶園が多く「特むし茶、深蒸し茶」などの特長ある産地として知られています。
C:牧之原茶産地
静岡県中部の大井川の西岸台地に広がる大茶園は、明治初年に徳川の幕臣や川越人足らの手により開拓の端緒が開かれました。当時、不毛の地としてだれもかえりみなかった牧之原は、現在広大な茶園がつづき、わが国最大の茶産地となっています。ここには、独立行政法人・県立の茶業試験場もあり、新緑のころは、まさに緑萌える大地となります。
D:川根茶産地
南アルプスをみなもととする大井川の上流域に沿った山間斜面の茶園は、やわらかな朝霧につつまれるなど、めぐまれた立地条件と農家の努力で、古くから銘茶の産地として全国にその名を知られています。
E:志太茶産地
藤枝・島田・岡部の山間地茶園が大部分で、朝比奈川上流は玉露産地として、また、それぞれ河川の流域が主産地で、山間地・平担地それぞれ特色のある産地が形成されています。
F:本山茶産地
静岡市を流れる安倍川流域を中心とする産地で、上流地帯は本山とよばれる良質茶産地です。
歴史も古く、面積も多い特色ある産地を形成しています。
G:清水茶産地
静岡市清水区を中心とした産地は「駿河の清見」の茶として古くから知られ、日本平や興津川流域に多く生産されています。
H:富士・沼津茶産地
富士山西南裾野地帯・愛鷹山の南麓に栽培が多く、整備された近代的茶園がひらかれています。
静岡県以外の主な産地
鹿児島県
静岡県に次いで第二位の生産高を誇る
北は霧島山麓の牧園周辺から大隅半島、薩摩半島と全県的に生産されるが、
平坦茶園では大型機械化栽培が進められている。
三重県
煎茶を主体とし、北勢地方はかぶせ茶、南勢地方は深蒸し茶を主に生産
京都府
宇治の地に茶の種子をまいたことに始まる歴史的産地。
玉露、碾茶の生産量が高いことで知られています。
愛知県
西尾市・吉良町は碾茶の生産高全国一を誇る。
新城市は煎茶が中心。
福岡県
八女を中心とする産地。玉露の生産高全国一。